「オルフェウスの窓」ファンサイト「Die Blaetter」管理人ぼーだらのブログです。いろいろ語っております。ツッコミお願い致します!
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台風が過ぎてから、少し涼しくなったような気がする大阪ですーーゆうても気温が35度超えない、レベルなんですが。もう慣れっこですわ、色々と。
今チェックしたら、レーゲンスブルクの昨日の最高気温は31℃、最低は16℃。羨ましい。特に最低の方が。熱帯夜はホントにバテますやん、16℃なんて熟睡モードですやん。今年はドイツも史上最高気温を更新しましたが、どうやら落ち着いたんでしょうか。調べてみたら、7月25日 リンゲンで41.5℃となっている。さすがにこれは大阪人も引くレベルですね。特にあちらはエアコンなんてモノは新築官公庁くらいしかついてないだろうし…さすがに考えただけで生きた心地がないな。
なお、ペテルブルクは本日の予報が最高23℃、最低13℃。人類の生存に最適の温度ですね。いや、生存に最適なのは期間限定なんでしょうが…。
オル窓原作では、特に第3部では夏服らしい格好をあまり見た気がしない。まぁユリちゃんにとってはそのほうがよかったでしょうが、実際暑くなかったん?と気になります。Wikipediaによると、ヨ
ーロッパでは14世紀半ばー19世紀半ばに「小氷期(Little Ice Age)」と呼ばれる寒冷な期間があったらしい。そういえば、産業革命とかもせっせせっせと火を焚いているイメージで、暑い時代なら到底我慢できないやろうな、という気はしますね。それでもオル窓時代には回復してたのでは…とも思うんですが…。問題は1900年からの100年間で、この間の気温上昇は約1℃、これは1000年前後の中世温暖期~小氷期の中でも寒かった1600年代(17世紀は三十年戦争とか清教徒革命とか戦乱が多かった時代で、やはり気候の厳しさも一因らしい。General Crisisというそうな)の温度差を既に凌駕しているという…恐ろしや恐ろしや。真夏の暑苦しい怪談の一席でした。
百物語ではありませんが、そろそろ一度チャットを開催したいと思います。25日を考えているのですが皆様ご都合はいかがでしょうか?
以降は例によって管理人SSに関するご連絡です。ドロー反転でお願いします。
「オレスト」2~3章Up致しました。やはり再UPだと思うと、色々書きなおしてしまいますね。大してよくなった気もしないんですが(^^;)。一番手ひどい痛手を負った瞬間に、まるでお皿に載せて差し出されたみたいに復讐の機会を得てしまったシューラ。被害者とまではいえないにしろ、彼女もまた運命の悪意といったものに翻弄されたのではないかと思います。まぁ私が彼女の立場なら多分そこまではしないと思う(笑)けど、それは私が愛情の薄い人間--少なくとも恋愛については諦めがよいーーなのと、生死の境目の非日常で感情をむき出しに生きた経験がないから言えることだと思う。元ネタのラシーヌ作品もそこでそこまでするか~みたいに感情に生きる人物ばかり(一番感情の起伏が少ないのはタイトルロールのアンドロマックかも)だけれど、池田作品の人物たちにもそんな激しい生き方が似合うというか、読んでいるときには疑問が浮かばないほどの説得力がある。いざ自分でSSの形でキャラたちを再構成してみると、それがどれだけの力業か実感します。
再Upでもありませんが、「聖ペテルスの鐘は鳴る」はリライトして、もう少し長くReigenスタイルにしてみようかと思っています。他の原作キャラの反応も気になるし、またそこにつないでいくオリキャラも書いてみたくなったりしたので…。お楽しみに、というのも烏滸がましいのですが。
今チェックしたら、レーゲンスブルクの昨日の最高気温は31℃、最低は16℃。羨ましい。特に最低の方が。熱帯夜はホントにバテますやん、16℃なんて熟睡モードですやん。今年はドイツも史上最高気温を更新しましたが、どうやら落ち着いたんでしょうか。調べてみたら、7月25日 リンゲンで41.5℃となっている。さすがにこれは大阪人も引くレベルですね。特にあちらはエアコンなんてモノは新築官公庁くらいしかついてないだろうし…さすがに考えただけで生きた心地がないな。
なお、ペテルブルクは本日の予報が最高23℃、最低13℃。人類の生存に最適の温度ですね。いや、生存に最適なのは期間限定なんでしょうが…。
オル窓原作では、特に第3部では夏服らしい格好をあまり見た気がしない。まぁユリちゃんにとってはそのほうがよかったでしょうが、実際暑くなかったん?と気になります。Wikipediaによると、ヨ
ーロッパでは14世紀半ばー19世紀半ばに「小氷期(Little Ice Age)」と呼ばれる寒冷な期間があったらしい。そういえば、産業革命とかもせっせせっせと火を焚いているイメージで、暑い時代なら到底我慢できないやろうな、という気はしますね。それでもオル窓時代には回復してたのでは…とも思うんですが…。問題は1900年からの100年間で、この間の気温上昇は約1℃、これは1000年前後の中世温暖期~小氷期の中でも寒かった1600年代(17世紀は三十年戦争とか清教徒革命とか戦乱が多かった時代で、やはり気候の厳しさも一因らしい。General Crisisというそうな)の温度差を既に凌駕しているという…恐ろしや恐ろしや。真夏の暑苦しい怪談の一席でした。
百物語ではありませんが、そろそろ一度チャットを開催したいと思います。25日を考えているのですが皆様ご都合はいかがでしょうか?
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「オレスト」2~3章Up致しました。やはり再UPだと思うと、色々書きなおしてしまいますね。大してよくなった気もしないんですが(^^;)。一番手ひどい痛手を負った瞬間に、まるでお皿に載せて差し出されたみたいに復讐の機会を得てしまったシューラ。被害者とまではいえないにしろ、彼女もまた運命の悪意といったものに翻弄されたのではないかと思います。まぁ私が彼女の立場なら多分そこまではしないと思う(笑)けど、それは私が愛情の薄い人間--少なくとも恋愛については諦めがよいーーなのと、生死の境目の非日常で感情をむき出しに生きた経験がないから言えることだと思う。元ネタのラシーヌ作品もそこでそこまでするか~みたいに感情に生きる人物ばかり(一番感情の起伏が少ないのはタイトルロールのアンドロマックかも)だけれど、池田作品の人物たちにもそんな激しい生き方が似合うというか、読んでいるときには疑問が浮かばないほどの説得力がある。いざ自分でSSの形でキャラたちを再構成してみると、それがどれだけの力業か実感します。
再Upでもありませんが、「聖ペテルスの鐘は鳴る」はリライトして、もう少し長くReigenスタイルにしてみようかと思っています。他の原作キャラの反応も気になるし、またそこにつないでいくオリキャラも書いてみたくなったりしたので…。お楽しみに、というのも烏滸がましいのですが。
8月に台風って、これも温暖化の影響でしょうか? 大阪近辺でも列車の運休や間引き運転が予定されています。当方の通勤電車は昨日の夜段階で平常運転って言ってましたが、さてどうなることやら…昨日だって、デパートとか夕方にはバタバタしまってたもんね(お盆&台風なのに元気に出勤していた社畜。去年6月の大阪北部地震の時には、TVニュースの「地震にも関わらず出勤して帰宅困難者になった人々」の中に写ったって自慢?していた同僚がいたっけ)。
台風の歌、でもないのですが、この手のニュースを聞くと出てくるのが
狭井河(さゐ)河よ 雲たち渡り 畝傍山 木の葉さやぎぬ 風吹かむとす
という古事記の中の一首。神武天皇の后伊須気余理比売(いすけよりひめ)の作となっています。
なかなかドラマティックな物語になっていて、夫の没後継子の妻となっていた(レビラト婚の一種?)比売が、新しい夫が彼女が前の夫との間に産んだ子供たちを殺そうとしていると知り、この歌に託して子供たちに危険を知らせたとある。日本最初の暗号かもしれない。
叙景詩としても雄大で、本来は歌謡として祭りなどで歌われたものでしょう。この後で「風が吹けば~が起こって」「更にあーなってこーなって」式に歌い継いで、豊作などを祈ったのかもしれない。ただ、これを夫と子供の板挟みになった女性の物語に当てはめたことで、風にある種の禍々しさ、「内乱の予感」みたいなものをはらませたのは、2次創作者としての古事記作者のお手柄でしょう。古事記歌謡は、読んでいて「多分これ本来は別の文脈やろな~」と思うんだけど、それでもなおはめ方の上手さに舌を巻いてしまうものが多い。有名な「大和は国のまほろば」にしても、多分産土の神に捧げた「国ほめ」の歌であったものが、本邦初のNostalgiaの詩として成立している。いや、日本の2次創作文化長いよ奥深いよ、と思ってしまう次第。
以下は管理人SS関連のお知らせ。例によってドロー反転でどうぞ。
「地獄の窯の蓋」その2、「オレスト」をUPしました。多分オル窓1嫌われている女(実は私は嫌いじゃないんだけど)シューラがヒロインという(^^;)。作業が追い付かなかったので第1章だけです。タイトルはラシーヌの悲劇「アンドロマク」の登場人物からとりました。「アンドロマク」は男女4人の叶わぬ思いのブロックチェーンみたいな話で、ホメロスの「イリアス」の後日譚(つまりこれも2次創作みたいなもの)になっている。滅亡したトロイアのエクトル王子の妃アンドロマクは夫を思い続け、彼女を捕虜にしたエピール(エペイロス)王ピリュスがそのアンドロマクに恋し、ピリュスの婚約者エルミオーヌはそれでもピリュスを慕い、そのエルミオーヌを幼馴染のオレストが愛している、という救いのなさ。ピリュスがアレクセイでエルミオーヌがシューラ、と見立てて(アンドロマクはピリュスを嫌い抜いているのでユリウスは充てられないんだけど)オレストの位置にオリキャラを入れました。実はこの話自体は、「シューラはあんなこと言ってたけど、モブをあおって襲撃させるのは相当難易度高いのでは?」という素朴な疑問が発端でした…基本発想がツッコミです。
台風の歌、でもないのですが、この手のニュースを聞くと出てくるのが
狭井河(さゐ)河よ 雲たち渡り 畝傍山 木の葉さやぎぬ 風吹かむとす
という古事記の中の一首。神武天皇の后伊須気余理比売(いすけよりひめ)の作となっています。
なかなかドラマティックな物語になっていて、夫の没後継子の妻となっていた(レビラト婚の一種?)比売が、新しい夫が彼女が前の夫との間に産んだ子供たちを殺そうとしていると知り、この歌に託して子供たちに危険を知らせたとある。日本最初の暗号かもしれない。
叙景詩としても雄大で、本来は歌謡として祭りなどで歌われたものでしょう。この後で「風が吹けば~が起こって」「更にあーなってこーなって」式に歌い継いで、豊作などを祈ったのかもしれない。ただ、これを夫と子供の板挟みになった女性の物語に当てはめたことで、風にある種の禍々しさ、「内乱の予感」みたいなものをはらませたのは、2次創作者としての古事記作者のお手柄でしょう。古事記歌謡は、読んでいて「多分これ本来は別の文脈やろな~」と思うんだけど、それでもなおはめ方の上手さに舌を巻いてしまうものが多い。有名な「大和は国のまほろば」にしても、多分産土の神に捧げた「国ほめ」の歌であったものが、本邦初のNostalgiaの詩として成立している。いや、日本の2次創作文化長いよ奥深いよ、と思ってしまう次第。
以下は管理人SS関連のお知らせ。例によってドロー反転でどうぞ。
「地獄の窯の蓋」その2、「オレスト」をUPしました。多分オル窓1嫌われている女(実は私は嫌いじゃないんだけど)シューラがヒロインという(^^;)。作業が追い付かなかったので第1章だけです。タイトルはラシーヌの悲劇「アンドロマク」の登場人物からとりました。「アンドロマク」は男女4人の叶わぬ思いのブロックチェーンみたいな話で、ホメロスの「イリアス」の後日譚(つまりこれも2次創作みたいなもの)になっている。滅亡したトロイアのエクトル王子の妃アンドロマクは夫を思い続け、彼女を捕虜にしたエピール(エペイロス)王ピリュスがそのアンドロマクに恋し、ピリュスの婚約者エルミオーヌはそれでもピリュスを慕い、そのエルミオーヌを幼馴染のオレストが愛している、という救いのなさ。ピリュスがアレクセイでエルミオーヌがシューラ、と見立てて(アンドロマクはピリュスを嫌い抜いているのでユリウスは充てられないんだけど)オレストの位置にオリキャラを入れました。実はこの話自体は、「シューラはあんなこと言ってたけど、モブをあおって襲撃させるのは相当難易度高いのでは?」という素朴な疑問が発端でした…基本発想がツッコミです。
Ô saisons, ô châteaux!
Quelle âme est sans défauts?
なんて気取ってみましたが…はい、ホントはランボーどころじゃありません。外出た途端お日様にぶん殴られるような気がする、大阪の夏は「地獄の季節」であります。
ご無沙汰失礼しております。ぼんやりしているうちにまた画面に広告が掲載されてしまうほどの間が空いてしまいました。今年は初夏が比較的過ごしよかった分、暑熱順化にしくじったのか、早くから夏バテしておりました…。そのくせ体重は一向に減っとらんのはなんでやねん。
なんて気取ってみましたが…はい、ホントはランボーどころじゃありません。外出た途端お日様にぶん殴られるような気がする、大阪の夏は「地獄の季節」であります。
ご無沙汰失礼しております。ぼんやりしているうちにまた画面に広告が掲載されてしまうほどの間が空いてしまいました。今年は初夏が比較的過ごしよかった分、暑熱順化にしくじったのか、早くから夏バテしておりました…。そのくせ体重は一向に減っとらんのはなんでやねん。
ああ、季節よ、城よ、
無疵なこころが何処にある。(小林秀雄訳)
…つっかこんなアホな文脈で引用したら怒られそうだ。
この先は、ぼーだらのアホなSSでもお読みくださる懐の深い方だけ、背景反転でお読みください。
地獄の釜の蓋が開く季節ということで、冥土送りにした過去作SSをこっそり順次再UPすることに致しました(いよいよネタが尽きたともいう)。「窓のある図書館」のページに隠し扉を設けておりますので、足元にお気を付けて?ご訪問いただければ幸いです。第一陣は「Lilium Auratum ~輝きの百合」です。ヴェーラとエフレムのカップルをフューチャーした、ぼーだらにしては原作順守の、管理人標準では純愛ものであります。自分で書いていてこっぱずかしいわ。タイトルは「ヤマユリ」の学名。ヴェーラはエフレムのどこに惚れたんやろ、という疑問が出発点という、ある意味オーソドックスな作品。向こうから近づいてくる男性は警戒するのでは?不遇な人には弱いのでは?何よりバカな男はお嫌いなのでは?とかなんとか…。
お気に召しましたら拍手ボタンをぽちっとお願いします。中二病的承認欲求丸出し感もありますが、唯我独尊超大国の大統領も♡(いいね!)搔き集めるご時世だもんね(開き直り)。
はぁ~やっと終わったよG20~。
大阪では大変だったんですよ。ともかくおまわりさんの多かったこと。しかも各都道府県から! パトカーまで! 皆さんパトカーを運転して大阪まで来たんやろか、それとも官邸がフェリー借り上げて各地の港湾でそれぞれ積み込んで大阪港に届けたんやろか、とアホなこと考えてしまった。地下鉄で三重県警、京阪天満橋近辺(大阪城が近い)で埼玉県警、梅田近辺で富山県警。知人は北海道警のおまわりさん見たと言ってた。なんかうかつに道とか落とし物とか聞けまへん。多分聞いても知らない…。震災(あ、阪神淡路の方です)思い出した。1995年のG7とか2007年の世界陸上とか(2001年のサッカーW杯の時は大阪居なかった)覚えてるけど、ここまで物々しかったことはなかった気がする。
「いやまだましですやん。〇〇ホテル周辺なんかもっとすごかった。ともかく犬の散歩の人まで免許証提示させられてた」「あ~〇〇ホテルゆうたら×××が泊まってるんやったっけ」「それが、栃木県警とか群馬県警とか、余所の警察ばかり。地元の大阪府警はいないんなんでやろな」
そら警戒だけならあまり土地勘のない人にも務まるからやろし、逆に「あ、この人知ってるから大丈夫」みたいなことでは甘い!とか言われそうやし…後々交番に戻った時「あの時はえらい偉そー(消し忘れじゃありません、えらい=veryみたいに使うことあるんです大阪弁では)やったで」とか言われたら気まずいし…。
ゆくりなくも思い出したのがベルばらの、オスカルがチュイルリー広場に進撃するシーン。相手方が「ドイツ騎兵」なの初めて読んだ時には違和感あった。なんでここに「ドイツ騎兵」? その少し前にマリー様が「ロイヤル・アルマーニュ(Allemagne=仏語で「ドイツ」。尤も初読の時には分からへんかった)連隊」とか言ってるし? その後、「ほら吹き男爵の冒険」(岩波文庫のヤツ)読んで腑に落ちました。この時代、他に輸出品のないドイツ諸侯が領民をちょこっと訓練してよその国に貸し出すというか売り飛ばしたりしてたんですね。傭兵部隊です、つまり。無論傭兵部隊はずっと前の時代からあったわけで、ヴァチカン市国の時代コスプレみたいな「スイス衛兵」なんかルネサンス時代からの伝統がある。貧しい国から豊かな国へ、命が的のハードな出稼ぎが近世ヨーロッパの軍事史を下支えしていたわけですが…。
ただ、ベルばらのあのシーンでの「ドイツ騎兵」の登場は、自国民に対し銃を向ける場合、連帯感とか感じにくい外国人傭兵の方が徹底した態度を取らせられる、という上層部の考えもあったはず。その後も付き合い続けるならできないような態度がとれる…という点では、うんと規模が小さいとはいえなんとなく「よそのおまわりさん」が府民に検問していた姿に重なるような…。いや、被害妄想か。
さて、フランス革命を経て本格的に国民国家(Nation State)時代に入ると、自国民の徴兵が軍隊の中核になるわけですが、自国民に対してこれを向けた場合…逆に相手側に同調して武器ごと合流してしまう。ロシア第一革命(1905)がこのパターンですし、1917年も兵士の動向がカギを握っていた。「兵士と労働者のためのソヴィエト」むべなるかな。話がオル窓まで来たところでおあとがよろしいようで。
それにしても、O様率いる国民衛兵諸君にやられたドイツ衛兵が気の毒な気もする。弟に靴を買ってやったフランソワより貧しくて、身売り同様にフランスに来た兵隊もいただろうに。
大阪では大変だったんですよ。ともかくおまわりさんの多かったこと。しかも各都道府県から! パトカーまで! 皆さんパトカーを運転して大阪まで来たんやろか、それとも官邸がフェリー借り上げて各地の港湾でそれぞれ積み込んで大阪港に届けたんやろか、とアホなこと考えてしまった。地下鉄で三重県警、京阪天満橋近辺(大阪城が近い)で埼玉県警、梅田近辺で富山県警。知人は北海道警のおまわりさん見たと言ってた。なんかうかつに道とか落とし物とか聞けまへん。多分聞いても知らない…。震災(あ、阪神淡路の方です)思い出した。1995年のG7とか2007年の世界陸上とか(2001年のサッカーW杯の時は大阪居なかった)覚えてるけど、ここまで物々しかったことはなかった気がする。
「いやまだましですやん。〇〇ホテル周辺なんかもっとすごかった。ともかく犬の散歩の人まで免許証提示させられてた」「あ~〇〇ホテルゆうたら×××が泊まってるんやったっけ」「それが、栃木県警とか群馬県警とか、余所の警察ばかり。地元の大阪府警はいないんなんでやろな」
そら警戒だけならあまり土地勘のない人にも務まるからやろし、逆に「あ、この人知ってるから大丈夫」みたいなことでは甘い!とか言われそうやし…後々交番に戻った時「あの時はえらい偉そー(消し忘れじゃありません、えらい=veryみたいに使うことあるんです大阪弁では)やったで」とか言われたら気まずいし…。
ゆくりなくも思い出したのがベルばらの、オスカルがチュイルリー広場に進撃するシーン。相手方が「ドイツ騎兵」なの初めて読んだ時には違和感あった。なんでここに「ドイツ騎兵」? その少し前にマリー様が「ロイヤル・アルマーニュ(Allemagne=仏語で「ドイツ」。尤も初読の時には分からへんかった)連隊」とか言ってるし? その後、「ほら吹き男爵の冒険」(岩波文庫のヤツ)読んで腑に落ちました。この時代、他に輸出品のないドイツ諸侯が領民をちょこっと訓練してよその国に貸し出すというか売り飛ばしたりしてたんですね。傭兵部隊です、つまり。無論傭兵部隊はずっと前の時代からあったわけで、ヴァチカン市国の時代コスプレみたいな「スイス衛兵」なんかルネサンス時代からの伝統がある。貧しい国から豊かな国へ、命が的のハードな出稼ぎが近世ヨーロッパの軍事史を下支えしていたわけですが…。
ただ、ベルばらのあのシーンでの「ドイツ騎兵」の登場は、自国民に対し銃を向ける場合、連帯感とか感じにくい外国人傭兵の方が徹底した態度を取らせられる、という上層部の考えもあったはず。その後も付き合い続けるならできないような態度がとれる…という点では、うんと規模が小さいとはいえなんとなく「よそのおまわりさん」が府民に検問していた姿に重なるような…。いや、被害妄想か。
さて、フランス革命を経て本格的に国民国家(Nation State)時代に入ると、自国民の徴兵が軍隊の中核になるわけですが、自国民に対してこれを向けた場合…逆に相手側に同調して武器ごと合流してしまう。ロシア第一革命(1905)がこのパターンですし、1917年も兵士の動向がカギを握っていた。「兵士と労働者のためのソヴィエト」むべなるかな。話がオル窓まで来たところでおあとがよろしいようで。
それにしても、O様率いる国民衛兵諸君にやられたドイツ衛兵が気の毒な気もする。弟に靴を買ってやったフランソワより貧しくて、身売り同様にフランスに来た兵隊もいただろうに。
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